WEB制作における
ターゲットとニーズの考え方
(企業ホームページ)
WEB担当初心者向けに、WEBマーケティングの基礎知識をわかりやすく解説します。
こんにちは。 福田正実です。
企業サイトのWEB担当初心者向けにWEBマーケティングの基礎について解説しています。
今回のテーマはWEB制作における「ターゲット」と「ニーズ」について解説していきます。
ターゲットは、ニーズによってセグメント化
一般的に、マーケティングで「ターゲット」を考察する場合は「デモグラフィック(性別、年齢、職業などの統計学的な属性)」などで考えますが、WEBサイトを全てのデモグラフィックごとに用意することは非常に困難です。
ですから、WEBサイトのターゲットとしては、同じ「ニーズ(行動)」を持った人ごとにセグメント化(分類)して、サイトを設計することが効率的です。
例えば、一般消費者の場合、男性でも女性でも「ある商品を探す」という目的で「ニーズ(行動)」は同じです。スマホが欲しい人、PCが欲しい人、テレビが欲しい人は、老若男女問わず目的の商品を検索して探します。また、B2Bのシーンで考えると、建築業界ではあらゆる業種の人がいますが、商材を施工・工事するためには、採用する商品の品番を特定しなければならず、そのための行動としては、設計事務所、工事店、代理店など職種は違っていても、皆、まずは商品カテゴリーから商品を絞り込み、仕様を確認して品番を特定するという行動が共通となります。なので、様々な顧客層であっても、「品番を特定したい」という基本ニーズは共通しており、①カテゴリー選択、②仕様比較、③品番特定という流れで基本サイトを構成することが重要となります。
もちろん、業種ごとで細部のニーズは異なってきますので、オプションとして各業種ごとの詳細なニーズに対応することは必要です。
ニーズと行動の関係
では、「ニーズ」と「行動」の関係はどうなっているのでしょうか?
人間は強いニーズを持てば行動に移します。逆にいうとニーズが弱ければ行動はしません。WEBの世界で、「行動」とは「検索」です。つまり、お客様が「何かが欲しい」と強く思った後、ネットで検索という行動に移ります。ですからネットで検索をする人は何がしか強いニーズを持っているのです。
例えば、漠然と「海外に行きたいな・・・」ぐらいの抽象的な願望段階では、ネットで調べることはありませんが、「海外旅行に行きたい」「ハワイ旅行に行きたい!」「お正月にハワイ旅行に行きたい!!」と、より具体的に気持ちが高ぶるとネットで検索をするようになります。これが、よりニーズが強くなり、結果、行動に移るということです。
そして、検索する人の具体的なニーズは「検索キーワード」に現れます。というか、検索キーワードがニーズそのものなのです。仮に「ハワイ 格安チケット」と検索した人がいるとすれば、その人のニーズは「ハワイにできるだけ安く行きたい」です。なので、このニーズに対応する企業サイトとしては、ハワイ行き航空チケットの価格訴求をするサイトを用意しなければならないでしょう。
このように、企業サイトによって売上を伸ばすためには、サイトに訪問するお客様のニーズを満たすコンテンツを用意しなければなりません。ですから、そもそも訪問客のニーズが何か? つまり、お客様が何を求めて訪問したのか? ということを把握することが非常に重要です。
ニーズの捉え方
さて、お客様のニーズを満たすコンテンツ作りが重要であると述べましたが、冒頭触れましたようにあらゆるターゲットに様々なニーズがあり、全てのニーズに対応するコンテンツを作るわけにはいきません。ですから、より効率的にニーズに対応するコンテンツを作るために、どのニーズに対応することがより効率的なのか? を考える必要があります。
「ニーズ」が強くなると、「行動=検索」して「キーワード」に現れますが、WEBサイトを制作する上では、「より多くのニーズ」に対応する方が効率的です。その「より多くのニーズ」は「検索ボリューム」で把握することができます。
ここで、「検索ボリューム」についての概念を若干解説します。(梅澤伸嘉氏「未充足理論」をベースに考察)
ニーズの要素には「強さ」と「量」があり、それを縦横2軸で4象限に区分してみました。ニーズの「強さ」軸では「強い」が「検索をする」で、「弱い」が「検索もしない」ということです。そして、ニーズの「量」軸では「多い」が「検索数が多い」で、「少ない」が「検索数が少ない」ということです。
左上の「量が多いが弱い」では、多くの人が普通に望んでいる状態で検索をするほどではない、エリア概念としては「凡人」となります。逆に右下の「量が少ないが強い」では、一部の人が強く望んでいる状態で検索ボリュームが少ない、この概念としては「変人」となります。なので、ここのエリアキーワードを狙っても収穫としては効率が悪くなります。最も効率の良いエリアが右上の「量が多く強い」です。これは、多くの人が強く望んでいる状態で、概念としては「天才」となります。
このように、ニーズには「強さ」と「量」があり、効率よくコンテンツを作成するには天才エリアの「検索ボリュームの多い」キーワードを狙って作ることが最も効率的となります。
ニーズが行動に現れないケース
基本的には強い「ニーズ」は「行動」に現れますが、時に本当にニーズが行動に現れないケースもあります。これは「仕方なくした行動」のパターンです。
ユーザーの行動の中には「したくてした行動」と「仕方なくした行動(あきらめの行動)」が混在していて、「仕方なくした行動」には本質的な「潜在ニーズ」が隠れています。「潜在ニーズ」は「行動」に現れないので、いくら「行動」を分析しても把握することはできません。
どんなケースかというと、アンケートやWEBサイトのボタンで、選択肢が不十分だったため、「本当は希望する選択肢がなかったので、仕方なく選んだ・・・」といったケースです。このようなケースでも、集計データ上は「ユーザーに支持された」となってしまいますので、「データ分析」の結果には注意しましょう。
これはWEBサイトの行動分析においても同様で、結果データとその原因を合わせて解釈することが重要です。WEBサイトの行動分析でよくあるケースでは、ページ上部にあるパンくずリンクがよく押されているページがありますが、これは、お客様からするとパンくずリンクしか行きたいページへのリンクボタンがなかったことを表しています。パンくずリンクがよく押されていて喜ぶのではなく、わかりやすい場所にそのページのリンクボタンをつけてあげましょう。
このように、WEBサイトの構造や選択ボタンの表現については、実際のページを目視し、お客様の立場になって確認することが重要です。
B2Bターゲット像の考察
最後に、B2B業界におけるターゲットについて解説しておきます。
まず、リアルなターゲットでは、建設業界でいうと工事会社・設計会社・法人施主などさまざまな人がいます。ただ、これらのターゲットは商品・サービスを「売る側の人」と「買う側の人」に大別することができます。「売る側の人」の中には様々な業種があり各々細かなニーズは異なりますが、基本的なニーズは共通しているので、「売る人」とまとめて考えることができます。ただ、WEBサイトに訪問する際には「検索」という行動を経てきますので、WEB上のターゲット分類としては、「新規」か「リピーター」という分類をすることができます。「リピーター」の人は既にそのメーカーサイトを何度も利用しているので、そのメーカーに対する知識がありますが、「新規」の人は売る側の人も買う側の人もそのメーカーの商品・サービスに知識がありません。その知識レベルによって検索キーワードも違ってきます。
ここでは、例として、オフィスビルのオーナーが自社ビルの省エネ対策について検討していることを想定して解説します。まず、メーカーの商品知識があるリピーターの人はおそらく過去にビルの省エネ提案をしたことがあり、そのメーカーの特定照明器具を導入することによってビル全体の省エネが実現できることを知っており、商品のネーミングで検索をし、ピンポイントでその商品サイトに訪問してくることでしょう。
そのメーカーの商品知識のない人(新規ビジネス客)の場合では、ネーミングを知りませんから、ネーミングで検索することができません。ただ、照明制御によってビル全体の省エネができることは知っているので、「照明制御」や「照明制御システム」といった一般名称で検索をし、その検索結果の上位表示のサイトに訪問するでしょう。
次に、オーナー(法人施主)の人ですが、ニーズは「自社でどんな省エネ対策があるか知りたい」で、「省エネ」「省エネ対策」「ビル 省エネ」「オフィス 省エネ」などの一般用語で検索をします。つまり、省エネをしたいとは思っていますが、どんな方法で省エネが実現できるかという知識がないので、漠然としたキーワードでしか検索をすることができません。
このように、さまざまなお客様がさまざまなキーワードで検索をし、サイトに訪問することになりますが、商品に対する知識レベルもさまざまとなりますので、特に新規顧客のためのコンテンツ作りでは、お客様のニーズレベルに注意しサイト内の言葉遣いに気を使わなければなりません。