ベネフィット訴求が重要な理由
(企業ホームページ)
WEB担当初心者向けに、WEBマーケティングの基礎知識をわかりやすく解説します。
こんにちは。 福田正実です。
企業サイトのWEB担当初心者向けにWEBマーケティングの基礎について解説しています。
今回のテーマはWEB制作における「ベネフィット訴求の重要性」について解説していきます。
ベネフィット訴求とは
自社の商品やサービスの特長をお客様に伝える際に「セールスポイント」として特長を書きます。その際には、ぜひ「ベネフィット訴求」に心がけてください。
「ベネフィットとは」とGoogleで検索すると次のように解説されています。
「ベネフィット」とは、英語の「benefit」をカタカナ読みした言葉で、一般的には「利益」「恩恵」「便益」を意味します。マーケティングにおいては、「顧客が商品やサービスから得られる効果や利益」を指します。つまり、商品やサービスを使うことでどのような良い影響があるのか、顧客がどのようなメリットを感じるのかを具体的に示す言葉です。
ここで大切なのは、「顧客がどのようなメリットを感じるのか」で、言わば「効用」のようなものです。よく技術者に商品特長の原稿を依頼すると、「業界初、〇〇〇が可能!!」という文章が返ってきます。技術者からすると、いかに自社商品・サービスが技術的に優れているかを訴求したいのですが、技術に疎い私からすると「で、何が良いの???」と単純に疑問を持った経験が多々ありました。これは今でも、どこの企業でもあるあるなことだと思います。
そこで、「ベネフィット訴求」をどうすればよいかということですが、私の場合はもう30年ほど前になりますが、マーケティングの恩師である梅澤伸儀氏に教育を受けました。梅澤先生の数あるマーケティング理論の中から少しだけ解説させていただきます。
マーケティング理論によるベネフィット訴求
まずは、「C/Pバランス理論」です。この理論は梅澤先生が10年間の相関研究をもとに発表された「売れる商品」を説明する理論で、概要は次に通りです。
・商品力を構成する要素は、「買う前に欲しいと思わせる力」と「買ったあとに買ってよかったと思わせる力」からなっており、前者を「商品コンセプト(C)」、後者を「商品パフォーマンス(P)」と定義します。
そして、「商品コンセプト」については、次の公式を発表されています。
・C = I + B
このCはコンセプトで、Iがアイデア(技術)のことです。そして、Bがベネフィットとなります。つまり、「商品コンセプト(買う前に欲しいと思わせる力)は、「アイデア」と「ベネフィット」の両方があって成り立つものであり、相互で因果関係が成立している必要があるというものです。
それでは、ベネフィット訴求を付け加えた商品コンセプトの例をご紹介します。
今では当たり前となった「iphone」ですが、2007年に発売され、その後世界中の人々の生活が変わりました。iphoneのI(アイデア=技術)は、「小型軽量な電話カメラ機能付きPC」でしょう。そしてそのB(ベネフィット=効用)は、「いつでも・どこでも、手軽に持ち運べ、1台でインターネット・電話・カメラが楽しめる。」となるでしょう。つまり、iphneのC(商品コンセプト)は、「iphoneは小型軽量な電話カメラ機能付きPCなので、いつでも・どこでも、手軽に持ち運べ、1台でインターネット・電話・カメラが楽しめます。」となります。
ベネフィット訴求の事例
ターゲット別のベネフィット訴求
ベネフィット訴求がどのようなものかについては、ご理解いただけたかと思いますが、ベネフィットとは「お客様が感じるメリット」ですから、お客様によって感じるベネフィットはさまざまです。
例えば、電気工事業界では2024年4月より時間外労働の上限規制が適用され、「省施工」を訴求する商品が注目を浴びるようになりました。特長が「省施工」ということは、工事をする側にとっては施工・工事時間が短縮できて、ベネフィットとしては「労働時間の短縮」や「業務の効率化」となりますが、工事を発注する施主側からすると「省施工」という特長については何の魅力も感じません。ですから、こういった場合、施主に対しては、「工期が短くできる」という特長に置き換える必要があります。そうすることによって、施主側に「費用の削減」や「工事に伴う休業日が少なくできる」というベネフィットを感じることができるようになります。
導入メリットとしてのベネフィット訴求
次に、商品サイトで商品特長を訴求する場合でのベネフィット訴求において、ご注意いただきたいことがあります。B2Bでは施主が商品やサービスを購入するということは自社に導入することとなり、そのベネフィットとは、その商品・サービスを導入する「メリット」と言い換えることができます。
自社の商品・サービスの特長を語る際、他社との差別化ポイントのみを訴求することがよくありますが、その商品・サービスのカテゴリー自体の普及が進んでいなかったり、認知が低い場合には、いきなり他社との違いを訴求しても、施主に導入させるほどの訴求力はありません。
そのな時は、他社との差別化以前に、そもそもそのカテゴリー商品・サービスを導入することの意義(メリット)を理解させる必要があります。それがその商品・サービスの導入メリットです。
前職で扱っていた商品に「HD-PLC(High Definition Power Line Communicationの略)」という商品がありました。これは既存の電源コンセントを利用したネットワーク機器で、ネットワーク環境のない既存施設にネットワーク設備を導入する際に既存の電源コンセントを利用して簡単にネットワーク環境を装備できるという商品です。この商品には自社ならではの特長ももちろんありましたが、「HD-PLC」というカテゴリー機器を知らないお客様にいきなり細かな商品特長を訴求してもその良さは伝わりません。なので、そもそも「HD-PLC」とは何か?、HD-PLCを導入するメリットは何か?を説明した後で自社ならではの特長を説明しました。
その商品の「建設現場向け」WEBページのストーリー構成は下記です。
②ICT化 / IoT化による現場工数の効率化とは
③ICT化 / IoT化による「現場の遠隔管理」
・「現場の遠隔管理」によるメリット
・「現場の遠隔管理」に必要なもの
④通信ネットワーク化の注意点
⑤HD-PLCで解決
・HD-PLCとは
・HD-PLCの導入メリット
⑥自社の特長
⑦ご提案商品(商品ラインアップ)
このように、自社商品の特長を訴求する前に「一般的なカテゴリーの導入メリットを語る」ことについては、商品担当者からなかなか理解を得にくいものですが、訪問者(ターゲット)の知識レベルに応じたストーリー構成を組み立てる方が、結果的には理解力が上がって来ると思います。
ターゲット別の商品訴求
最後に、商品特長の訴求の仕方について若干解説させていただきます。
新商品の特長を訴求する際、「新商品の特長3ポイント」といった形で、旧商品からの進化点を中心に訴求することがあります。これはこれで間違いではないのですが、ターゲットによってはこれだけでは全く商品の良さが伝わらないことがあります。
前職で「エコキュート」の訴求に携わったことがありましたので、例としてご紹介します。
エコキュートとは、ヒートポンプ技術を使って外気の熱を効率よく利用して、お湯を沸かす家庭用の電気給湯器のことですが、エコキュートの新商品を訴求するにしても、お客様が新築などの全くの新規顧客なのか、それとも10年前の自社エコキュートをからの買い替えなのかによって、訴求の仕方は全く違ってきます。
下図に整理したように、新規顧客には「給湯器の必要性」から話を始めなければなりません。買い替えであっても、何からの買い替えなのかによってストーリーも違ってきます。もし「ガス/石油給湯器」からの書言い換えであれば、「エコキュートの導入メリット」から説明しなければなりません。また、エコキュートからの買い替えの場合でも、他社エコキュートからの買い替えの場合は自社ならではの特長の説明が必要です。その特長がたとえ旧モデルと同じだったとしてもです。つまり、自社旧モデルからの進化点だけの説明で良いのは、旧モデルの特長をよく知っている流通の人だけということになります。
以上のように、お客様に商品・サービスの良さを納得してもらうためには、商品の特長だけを訴求するのではなく、それを利用(導入)することの効用(=ベネフィット)を付け加える必要があります。
また、同じ商品や機能を訴求する場合でも、利用するお客様の状態によってそのベネフィットは異なりますので、ベネフィット訴求をする際にも注意が必要となります。