サイト改善の第一歩は"現状把握"から
~データ分析~
(企業ホームページ)
WEB担当初心者向けに、WEBマーケティングの基礎知識をわかりやすく解説します。
こんにちは。 福田正実です。
企業サイトのWEB担当初心者向けにWEBマーケティングの基礎について解説しています。
今回のテーマはサイト改善のための「現状把握~データ分析~」について解説していきます。
現状把握のための「データ分析」とは
データ分析も「目的」が重要
仕事をする上で、データ活用は必須です。皆さんも日々さまさまなデータを活用しておられるでしょう。ただ、その「データ」は、数字の羅列ですので、解釈の仕方によっては良くも悪くもなります。自らもサラリーマン時代に上司に報告する際は、できるだけ良い(良く見える)データを報告するようにしていました。仕事の成果を上司に報告するためのデータであればそれで良いのかもしれませんが、WEB担当者として分析するデータは、決して「報告」するためのデータではありません。あくまでも、「サイトを改善すること」が目的であって、そのために「現状把握」をし、「データ分析」をしているのです。ですから、WEB担当者としては、データを正しく分析することで課題を発見し、その課題を改善しなければ何も意味はないということです。いくらデータを眺めていても、決してサイトは良くなりません。
正しく現状把握をするためには正しいデータ分析をしなければなりませんが、データの見方については人それぞれ感じ方が違う場合があります。たとえ優秀なデータアナリストであろうとも、商品特性や業界知識がないためにデータの意味をはき違える場合もありますので、基本的には自らがデータを分析し、自らの知識を駆使してデータが持つ意味を感じとるようにしましょう。
WEB担当者が行う「データ分析」の主な目的は2つあり、一つが「現状把握」で、もう一つが「効果検証」です。今回は「現状把握」がテーマですので、現状把握の視点でデータ分析方法について解説していきます。
現状把握のための「データ分析」の流れ
現状把握のためのデータ分析の基本は、大きな流れで変化点を見つけ、細かく見て原因を探る流れです。分析ステップとしては次の3ステップです。
【STEP-1】 まずは、時系列での大きな流れをつかむ
【STEP-2】 変化の原因究明 (細部分析)
【STEP-3】 お客様の動きを知る
それでは、企業における商品サイトの改善を目的とした現状把握のためのデータ分析について各ステップごとに解説していきましょう。
【STEP-1】 時系列での大きな流れをつかむ
企業の商品サイトの改善が目的となると、ある程度長期間サイトが存在している前提となりますが、その場合は、まず、過去から現在までのある程度長期間(2~3年間)でのアクセス数の推移を確認します。その推移が「上昇傾向」なのか? 「下降傾向」なのか? その傾向自体を把握しておくことが大切です。サイト全体のアクセス数の推移だけで課題を判断するわけではありませんが、データ分析の入口として「全体傾向」は把握しておく必要があるでしょう。
そして、サイト全体の長期的なアクセス数推移の変化にはさまざまな要因がありますが、大きく分けて以下の2つに分類されます。
(1)外的要因
(2)内的要因
(1)外的要因
サイト全体の長期的アクセス数推移の変化に影響する「外的要因」とは、次のようなものがあります。まずは、①「経済状況による影響」です。これは日本全体レベルでの経済状況に大きな変化が起こった場合です。例としては「新型コロナウイルス」による影響などです。次に、②「業界全体としての商品カテゴリー状況の変化による影響」です。例えば商品カテゴリー自体が時代の変化と共に縮小するようなケースで、デジタルカメラのような商品カテゴリーです。また、太陽光発電システムのように国からの補助金政策の変化によって商品カテゴリー自体に影響を及ぼすようなケースもあります。次に、③「競合状況による変化」です。これは自社商品の販売シェアと連動した推移の変化のことです。最後に長期ではありませんが、④「その他(各種集客施策)の影響」もあります。実はこの影響は日常茶飯事のように起きています。例えば下記のような施策による影響です。
・広告
・リリース
・メルマガ
・SNS
・カタログ/チラシ
・展示会・営業活動
・etc
こう見ると、当たり前のことですが、自社WEBサイトのアクセス数の変化は多くの外的要因によって変化しているのです。つまり、WEB担当者が自社サイトに対して何らかの施策を打った場合にしろ、何もしなかった場合にしろ、常にさまざまな外的要因によるアクセス数の変化が起きており、そこを見極めなければ、正しい現状把握ができないということです。
(2)内的要因
次にアクセス数の変化に影響を及ぼす「内的要因」です。内的要因こそがWEB担当者が実施した施策による影響の変化です。その要因としては次のようなものです。まずは、①「情報の鮮度管理」です。これは更新頻度のことで、「お知らせ」や「新商品情報」など、頻繁に更新することでリピーターに喜ばれアクセス数の伸びにつながります。次に②「適切な情報管理」です。これはコンテンツの情報品質で、お客様のニーズにマッチした情報を提供することでアクセス数に影響を及ぼします。そして③「情報の探しやすさ」も影響します。これは、まさにサイト制作そのものの影響ですが、「サイト構造」「デザイン」「コピーライティング」などのクオリティが影響してきます。そして最後が⑤「適切なSEO対策」となります。
【STEP-2】 変化の原因究明
サイト全体のアクセス推移で変化を確認したら、その変化の原因が何なのかについて分析していきます。変化が起きたタイミングが過去の場合、前任者が担当していた時期の場合があります。その場合は過去にどのようなことが起こっていたのかを遡って検証し、変化の原因を推測する必要があります。そういった背景を踏まえて、過去に起こった変化の原因を探る方法として、「ページ単位」に細分化して分析することです。どんなケースがあるかを前職で経験した事例を使ってご紹介します。
■ページ単位で細分化して発見した事例
一つ目の事例は、増加原因がページ別で細分化して見て判明したという事例です。商品は太陽光発電システムで、サイト全体見ると2年連続で9月ごろだけ増加していました。全体で見ているとその原因がわからなかったのですが、ページ別の推移を見ると、「停電・災害」に関するページが伸びていたのです。つまり、そのころは2年連続で9月に豪雨被害が起こっており、その対応でアクセスが伸びていたのだと思われます。このように、9月の豪雨という外的要因によってお客様の突発的なニーズが強まり、サイトのアクセスが伸びていたという事例でした。
二つ目の事例は、前任者から引き継いだ後、過去のページ別アクセス推移を見て気づいた例です。これは、サイト全体の推移では気づかなかったのですが、ページ別推移を見て、ある商品ページのアクセス数がぐんぐんと伸びていたことを発見しました。そのタイミングを調べてみると新商品(新品番)が発売されたタイミングでした。そして、そのページを確認したところ、なんと新商品がまだ掲載されていないことに気づき、あわてて新商品を掲載したというエピソードです。これは、新商品発売の情報が営業経由でお客様に届き、その新商品情報を見に訪問していただき、アクセス数が上昇していたのにもかかわらず、その新商品情報が掲載されていなかったというお恥ずかしい失敗事例でした。
ページ別の推移データを確認して発見できた事例としては他にもたくさんあり、中には、過去の一定期間全ページでアクセス数がゼロだったために、一定期間GAデータの取得欠落していたことが判明したり、サーバリプレイス後に特定のページのGAデータ取得がされていなかったことが判明するなど、データを細分化して調べることでトラブルの発見にもつながっていました。
このように、サイト内で起こっていることや過去に起こっていたことの内容や原因を突き止めるには細分化されたデータの分析が有効であり、「現状把握」には欠かせないのです。
【STEP-3】 お客様の動きを知る
時系列のデータで、「いつ」「どこで」「どんなことが起こっているか」がぼんやりと判明した後は、もう少し「現場で何が起こっているのか?」について深堀していきます。次のような項目の確認です。
・誰が
・どこから来て
・何を
・どうしたか?
■「誰が?」 : 属性データから訪問者像を推定
サイト訪問者が誰か? というテーマついては、まだまだ議論の余地があります。当然サイトオーナー側からすると、営業目的として個人を特定したいわけですが、個人情報保護の観点からGoogleのポリシーとして個人が特定できる情報の取得は許していません。サイト訪問者の個人情報を特定する手段としては、一度会員登録をしていただきその後再訪問でのデータを取得するという方法もありますが、それはサイトでリピーター向けのサービスを提供している場合には有効となりますが、新規顧客向けのサービス展開では、会員登録の負担が逆効果となります。ですから、一般的にはGAデータで取得可能な情報によって訪問者像を推測するしかありません。現在、Google Analyticsで取得できる訪問者像の情報としては次のようなものがあります。
・年齢層(例:25–34歳が多い)
・性別(男性・女性の割合)
・地域(都道府県レベルまで)
データ分析による訪問者像の推測には、これらの情報に加えて、次のようなデータを参考にする方法もあります。
・「新規訪問」か「リピーター」か
・使用デバイスが「PC」か「スマホ」か
・訪問曜日が「平日」か「休日」か
・訪問時間が「昼」か「夜」か
このように、直接的なユーザー情報だけでなく、その他の情報と組み合わせて見ると、おおよその訪問者像が掴めてきます。前職では、取扱い商品の特性上「一般消費者」と「ビジネスユーザー」とが混在して訪問していたので、このような手法を駆使して訪問者像を推測していました。
■「どこから来た?」 : 属性データから訪問者像を推定
Google Analyticsでは、「訪問者がどこから来たか? = 流入元」を調べreることができます。「セッションの参照元/メディア」です。「参照元(sourse)」とは、「どのチャネルから来たか?」です。例えば「google」「yahoo」「facebook」などの媒体で、「メディア(medium)が 「どのように来たか?」で、「organic(自然検索)」「referral(外部からの直接流入)」「cpc(広告流入)」などがあります。
この流入元を調べることによって、過去訪問者がどこからどように来たのかがわかり、過去に広告を実施して集客をしていたことや、ピンポイントのSNS流入で増えていたことや、自然検索で徐々に訪問者が増えているといった流入状況を把握することができます。
■「何を?」 : ページ遷移状況を確認
Google Analyticsの「経路データ探索」を利用することで、訪問者がサイト内をどのように遷移したかの概要を掴むことができます。このデータを見るとこによってどのページからどのページにどれだけ遷移しているかがわかりますので、想定していた導線設計で効果的に誘導できているかの確認ができます。サイトへの訪問者数が多いわりにCV数が低いといった場合には、サイト内の誘導がうまくいっていない可能性がありますので、このデータを見ることによってどこがボトルネックになっているかを確認することができます。
■「どうしたか?」 : CV状況を確認
サイトとしてのゴールは「訪問者増」ではなく、「CVの獲得」です。「CV(コンバージョン)」とは、サイトに訪問したお客様が最も購買に近づくアクションを起こしてもらうことで、ECサイトでは「商品購入完了」と明確なのですが、ECサイト以外では商品特性に応じてケースバイケースでCVを設定する必要があります。例えば次のようなものです。
・お問い合わせフォーム
・資料請求
・データダウンロード
・会員登録
・特定品番のスペック誘導
・販売店検索サイト誘導
・etc
Google AnalyticsでのCVデータは「イベント」データとして記録されますので、CVデータを取得するためには、事前に「イベント」を設定する必要がありますのでも適宜設定をしておきましょう。
以上、現状把握のためのデータ分析方法について解説しましたが、まとめますと、まずはサイト全体のアクセス推移を確認し、現在の状態がどのようなものかを把握し、何か特別な変化があれば、ページごとの推移を見て変化の原因を調査。全体の流れが把握できると、どんなユーザーがどうやって来ているのか?(ターゲットとニーズ)を把握し、想定したCVポイントに向かってしっかりと行動しているかを確認するという流れです。
そして、そもそも、「サイト改善の目的」は、より「CV数」を上げることですので、現状把握をする時には「CV数増加に対する障壁がどこにあるのか?」という観点でデータ分析をしていくと良いでしょう。
皆さんもデータ分析頑張ってください。