ニーズ構造に基づく
WEB制作
(企業ホームページ)
WEB担当初心者向けに、WEBマーケティングの基礎知識をわかりやすく解説します。
前編では、ニーズ構造理論(梅澤 伸嘉氏開発)を活用し、日常業務における「目的構造(目的意識)」について解説しました。
後編では、より具体的に日常業務での活用方法を解説していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
「代替提案」の重要性
前編で解説しましたが、仕事を依頼される方は、「〇〇を作ってほしい」と、具体的な手段系を依頼される方が多くいらっしゃいます。もしかするとほとんんどがそうかもしれません。ただ、「何かが欲しい」と思う上位には必ず「何かがしたいから」という「目的」が存在しており、その目的を達成するためには依頼内容とは別の手段の方がより良い解決策であることが多々あります。私の経験ではほとんどがそうでした。
なので、具体的な手段系の依頼があった場合には、「その目的は何ですか?」と確認し、「達成すべき上位目的」を見つけた上で解決手段を検討しなければなりません。
「動画一覧ページ」作成依頼に対する代替提案
では、ここから、具体的なWEB制作業務を例に解説していきます。
今回は、依頼者から「動画一覧ページを作ってほしい」という具体的な手段系の依頼があったケースの対処方法について考察していきます。
まずは、「動画一覧ページを作ってほしい」と言ってきた依頼者に対し、「それは何のためですか?」と確認します。すると依頼者は「それは、お客様に動画をたくさん見せたいから」と帰って来ました。しかし、これは確かに目的の一つではありますが、本当にこれが「達成すべき本質的な目的」なのか?という疑問から、さらに「それは何のため?」と質問しました。すると次に帰ってきた解答が「商品の良さを理解させたいから」でした。
これならば、真に「達成すべき本質的な目的」になり得ます。このように、手段系の依頼があり、その上位目的を確認したとしても、すぐに「達成すべき本質的な目的」に到達するわけではなく、何階層目かにやっとたどり着くことがほとんどです。
ちなみに、「動画一覧ページを作りたい」という依頼者に「何のため?」と質問した時、「動画が流行っているから・・・」といった解答が返って来た場合は論外のNGです。なぜならば、これは「理由」であって「目的」ではないからです。実はこれもよくあるケースで、「理由」と「目的」は混同しないようくれぐれも注意してください。
さて、「商品の良さを理解させたい」という真の達成すべき目的が見つかれば、そこから、新な解決策の検討が始まります。まずは、「商品の良さを理解させる」手段として、「たくさん見せる」ことが妥当なのかどうかの吟味です。
企業側からすると、お客様に動画をたくさん見てほしいという気持ちは理解できるとして、お客様側はどうでしょう? お客様にとって関心のない動画までたくさん見てもらえるでしょうか? 答えは「NO」のはずです。 なので、「動画をたくさん見せる」のではなく、「動画を効果的に見せる」の方がより現実的ではないでしょうか? そして、そのための手段として「商品特長ページに動画を掲載しましょう」という代替提案が可能となります。
これは、あくまでもWEB業務の中の一例ですが、こういった代替提案を常に意識することが重要となります。
また、こういったことを日頃から無意識的に行われている方もたくさんいらっしゃると思いますが、これはぜひ「意識」して行っていただきたいと思います。代替提案を意識的に行うことでより習慣化できるとともに、この思考を繰り返すことによって、より良い代替手段が提案できるようになるからです。
代替提案の必要性
では、なぜこういった代替提案の思考が必要なのでしょうか?
それは、仕事の依頼者に対し、「求められた以上の成果」をお返しできるからです。
つまり、
- 依頼者にとっては「より成果があがり、会社に貢献できてHappyに!!」
- それによって会社も「利益向上につながり、Happyに!!」
- そして、あなたご自身も「依頼者からの評価(信頼)が上がりHappyに!!」
という、みんなが「Win-Win-Win」の関係となるのです。ぜひ、みんなが幸せになるようなお仕事をしましょう。
ここで注意点として、「求められた以上の成果」と言いましたが、その成果の評価基準はあくまでも「利益貢献度」となりますので、くれぐれも個人的な感情評価では判断しないよう気を付けてください。
「代替手段」の見つけ方
代替提案の重要性についてはご理解いただけたかと思いますが、それでは、どうやってより適切な代替手段を考えればよいのでしょうか?
次に先ほどのケースでご紹介しました「動画一覧ページ」の代替手段「商品特長ページに動画を掲載」に到達した思考手順を再度具体的に解説していきます。
「本質的な目的」を見極め解決策を検証
■上位目的の妥当性検証
先に少し解説はしましたが、まず、依頼者からの第一解答である「動画をたくさん見せる」ことが本質的な目的かどうかの判断をしなければなりません。その判断基準は「依頼者の目的」と「顧客のニーズ」がマッチするかどうかです。
つまり、依頼者は「動画をたくさん見せたい」と思っていますが、顧客が「動画をたくさん見たい」と思っているかどうかが問題です。「最近、お客様はYoutubeで動画をたくさん見ている」と主張される方もいらっしゃるでしょう。しかし、そういうケースは、あくまでも「趣味」の動画を楽しみながら閲覧されているのであって、何らかの目的を持って企業サイトに訪問された方に同じ理屈が通じるはずがありません。ですから、目的をもって訪問されたお客様にとって、その目的以外の情報(動画)はノイズでしかないのです。
なので、お客様は「動画をたくさん見たい」とは思っておられず、依頼者の目的と顧客のニーズはマッチしないということになります。
■本質的な目的の発見
では、お客様のらニーズにマッチする本質的な目的の発見はどのようにすれば良いのでしょうか? そのためには、まずターゲットとなる「顧客」についてよく考えることが重要となります。
- そもそも、「顧客(ターゲット)」は誰なのか? → 一般消費者? ビジネス顧客?
- 顧客はなぜ動画を見ようとしているのか? → 顧客にとって動画を見る目的は何か?
今回のケースでは、ターゲット顧客は一般消費者を設定しています。また、お客様が見ようとしている動画が「商品紹介動画」であるならば、特定の商品の詳細特長を知ろうとして企業サイトに訪れており、そのニーズは「商品の特長をもっと良く知りたい」のはずです。だとすると、依頼者の「商品の良さ(特長)をよく理解させたい(伝えたい)」であれば顧客ニーズとマッチすることになります。
■依頼内容(解決手段)の妥当性正検証
次に、考えるのは「顧客の行動」です。例えば、あるお客様が特定メーカーの「ワイヤレスイヤホンの詳細特長を知りたい」と思ったとします。その場合の「行動」はどうなるでしょうか? おそらく、Googleで「〇〇〇(特定メーカー名) ワイヤレスイヤホン 特長」と検索するでしょう。
すると検索結果の上位には、そのメーカーのワイヤレスイヤホンの特長ページがヒットし、そこをクリックしてそのページに訪問するでしょう。
要するに、このお客様が検索する結果画面には「動画一覧ページ」が上位にヒットしないため、「動画一覧ページ」には行くことができません。ですから、新規で「動画一覧ページ」を作成したとしてもお客様は見に来てくれないので、費用と時間の無駄ということになり、「動画一覧ページ」が適切な解決策ではないということがわかります。
適切な解決策の発想方法
「商品の良さ(特長)をよく理解させる」ために「動画一覧ページ」が最適な解決策ではないことはわかりましたが、では、どうやって「適切な解決策」をみつければ良いのでしょうか? そのためには、「動画をどう見せるべきか?」を考察していきます。
これは、アイデア発想の手法となりますが、まず、「どう見せたいか?」のバリエーション(アイデア)をできるだけたくさん考えてリストアップします。この時のコツは、動詞に「修飾語(連用修飾語)」をつけて考えていきます。
例えば、「たくさん」「強制的に」「自動的に」「効率的に」「効果的に」・・・などなど。 そして、各々のアイデアに実現策を検討していきます。
- 「たくさん」 → 動画一覧ページ
- 「強制的に」 → ビルボードで動画再生
- 「自動的に」 → スクロールで動画自動再生
- 「効率的に」 → 関連動画を連続再生
- 「効果的に」 → 商品特長説明ページに動画再生ボタンを設置
このようにして、複数のアイデア中から、ターゲットのニーズに最も適したものを選択していくのです。今回はニースが「商品の特長をもっとよく知りたい」でしたから、「効果的に」が最も適した解決策となるわけです。
この手法のポイントとしては、できるだけたくさんの選択肢をピックアップすることです。正直、「ベスト解」が何なのかは誰にもわからないものでずか、検討する選択しを増やしていくことで、「ベター解」の精度が高まり、より「ベスト解」に近づけることが可能となります。
決定の判断基準が重要
ただ、ここで注意することとして、いくらたくさんの選択肢をリストアップしたとしても、最終決定の判断を誤っては何にもなりません。どういうことかというと、最終決定の判断基準が重要で、それは「ターゲットのニーズにマッチするかどうか」です。間違っても「技術的に優れているから」や「見た目がかっこいいから」もしくは、「自分がやりたいから」などで判断しないでください。
先にご紹介しましたが、「達成すべき目的」は階層によって複数存在しています。ですから、その中から「真に達成すべき目的」を見つけなければなりません。
中には、その目的の上位をたどっても「売上拡大」に到達しないケースもあります。また、よくあるパターンとしては、先に手段系(施策)を思いついて、「自分でとうしてもそれを実現したい」という思いが先行したり、または、上司から「新しいから」「誰もやっていないから」「競合他社がやっているから」「かっこいいから」「トレンドだから」・・・などなどの理由で、先に「施策」を指示されることもよくありがちです。そういった場合でも、必ずその目的が「真に達成すべき目的」なのかどうかをよく吟味する必要があります。中には不純な動機が見え隠れしることもありますので。そういったケースでは一見企画書は立派なのですが、目的が後付けだったりして、冷静に考えると無理があることがありますので、よくご注意願います。